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受付カウンターに向かうマスク男を見送り、エレベーターに乗り込んで来た人達の為に操作パネルの前を離れ、機内奥に退がる。
目的の階でエレベーターを降り祖母の病室に向かう。途中、ナースステーションで顔見知りの看護師に挨拶をして祖母のの在室を確認すると、談話コーナーで患者同士で集まっていると聞く。
向かう先を談話コーナーに変え、今来た廊下を戻る。半円を描く様にゆるやかなカーブの掛かった廊下を歩くと、突き当たりに談話コーナーがある。ソファに数人と、白衣の男性が話し込んでいた。
「………よね、お気の毒に…。」
「本当に、そうね。」
そんな会話が聞こえてきた。 気まずくは思ったが、ソファに祖母の後ろ姿を見つけて、
「おはようございます。文子さん、今、着きました。」
話しながら近づき祖母の方に手を置く。
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