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僕は、孤独ジャンキーです。
その一方で、さみしがり屋な一面もあります。いらっしゃいませこんにちは。ご注文は人の群れと同化しやすい自己顕示1つでよろしいでしょうか。
「孤独」と「凡庸」どちらかのレッテルを選択しなさいと迫られたので、両方とも捨てがたいと言ったら「ひねくれ者」のレッテルをおまけに貰いました。
同情はいりません、でも理解は欲しいです。
そうもいきません。同情と理解はセット販売のみとなっております。
毎日同じ学校に新しい転校生として登校できたら、少しは自己紹介が上手になるかな。夜にはクラスのみんなが僕の存在を忘れて、翌日にまた転校生扱いされるんだ。
また、糸が切れた音がした。
ガラス窓から紋黄(もんき)蝶がヒラヒラと迷い込んできた。黄色い面積が増えたり減ったり。
黒板に描かれた円柱の面積より、飛んでいく蝶を追っていた方が楽しいに決まっている。その軌道を目で追いながら、思考の渦はぼんやりと回りだす。モンキー蝶だったら、茶色の羽だったのだろうか、とか、あ、それは蛾だな、とか。考えれば考えるだけ、とりとめのない渦の弧は大きくなっていく。その遠心力に伴うように、視界がまどろんでくる。
あ、これは睡魔だな。そう考えたときには思考は途絶え、残された無意識で両腕をクロスし、枕を作った。ベッドメイキング終了。グッナイ。
嫌いだ。
学校が。自分が。クラスメイトが。教師が。廊下のひび割れが。折れたチョークが。傘が乱立する玄関が。
でも、好きだ。
薄っぺらい笑顔の晒し合いが。建前を構築しつづける会話が。机の下で中指を立てながら授業を受けるのが。下世話な発言で大人らしさを誇示する事が。
「そこ、寝るな」
やっぱり、嫌いだ。
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