254人が本棚に入れています
本棚に追加
/35ページ
それはある日の事。
活動の拠点を地元へ戻したBloodstonesは自分たちの住む高層マンションから離れ、その街のはずれに近い所へ佇む一軒家へ来ていた。
広い敷地を通り抜け、途中、いちゃいちゃしながら話し込む夢と光にニヤニヤと笑いを残し、
鳴らしたベル、出てくるだろう姿に今すぐ抱きつかんばかりの蓮は一番前に立った。
――ガチャ、
「ともー！」
「お待ちしておりました、ＢＳの皆様」
勢いで抱きつこうとした寸前、必死に思いとどまる。
「蓮、悪いけど俺、そういう趣味ないから」
銀縁眼鏡を持ち上げながらぴしゃりと言い放つ長谷部に蓮は顔をひきつらせる。
「なんでともじゃないの」
「お嬢様はお食事の準備をしておりますので、」
文句を言うにも、きらりと眼鏡を光らせられちゃ後も続かず。
しょんぼり肩を落とした蓮と、それに苦笑を洩らしたメンバーたちが靴を脱いだ。
最初のコメントを投稿しよう！