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夜のオフィス街に、人の姿はなく、並ぶビルの電気は消えている。
静かな道を走りながら、杉田は耳を澄ませた。
「梅林寺さんは、中学生だったけどね。それに、比べものにならないほど」
信号で止まると同時に、隣の声が聞こえなくなった。
「久々に楽しかったから、酔っぱらってる。ごめんね、変な話して」
「いえ」と言い、前を向いた杉田は運転を再開する。
大阪府警本部まで、ふたりは言葉を交わさなかった。
駐車場に着くと、「お疲れ様」と言い、車を出て、松波はさっさと建物の中へ入っていく。
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