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「変なのー。きらきらついてないもん」
「そう? でも、おばあちゃんにはとっても大事なものよ」
柔らかな口調で祖母は告げると、愛しげに指輪へと視線を落とす。大事にしている姿に、少女は羨ましくなってくる。
「そっか。私もちょっと欲しいなあ」
「あなたにもいつか贈ってくれる人が現れるわ」
「いつ? いつもらえるの?」
くいくい、と祖母の服を少女は引っ張った。
「いつかしら? でも、きっと嬉しくて、幸せでいっぱいになるわねえ。あなただけの宝物になるもの」
目を輝かせる孫娘の頭を撫でて、祖母はふわりと笑顔を見せる。
「今、欲しいもん!」
すぐにもらえないとわかると、少女は怒って部屋の中へと駆けていく。その姿を「あらあら」と見送った祖母は、お茶を静かに飲む祖父へと視線を向けた。
「あの子が指輪をもらったら、きっと泣くわね」
「まあ、息子は泣くだろうな。わしも泣く」
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