第6章

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「じゃあさ……俺がどうしようもなくなったら………ハル、俺のこと止めてくれる?」 「はい、いいですよ……私に出来ることなら協力します」 「………ってか、呼び捨てしたことはスルー??」 ………あ………ほんとだ、呼び捨てされてた。 「うちじゃ、みんな“ハル”って呼ぶから……なんの違和感もありませんでした」 「ははっ、そんなとこがハルなんだよなぁ………そろそろ、アイシングOK?」 コウ先輩は、よく分からないようなことを言い、左腕を私の方に伸ばした。 「あっ、時間 過ぎちゃいました」 慌てて、肩と肘のアイシングを外す。 小さい流し台に中の氷を捨てながら、コウ先輩に振り返った。 「ちゃんと上 羽織って……コウ先輩?」 ふわり……と後ろからの温もり。 右頬には、もぞもぞと髪の感触。 右肩には、頭の重み。 お腹の前には、交差する長い腕。 私は、コウ先輩に後ろから抱き締められていた。
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