第6章

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その後、部活に戻ったコウ先輩は 肩の張りがあったため、みんなと一緒の練習には参加せず、グランドの周りを黙々と走っていた。 「ハルちゃん、ソウタのピッチング ビデオに撮ってくれる??」 「はい」 アイ先輩にいわれ、私はピッチングしているソウタ先輩の所に向かった。 「ハル……俺の後ろから撮って」 キャッチャーであるあーちゃんに言われ、審判が立つべき位置より後方でカメラをセットした。 「ソウタ、変な球投げたら ハルに直撃だからなー……俺のミットだけだぞ」 「アキ先輩、変なプレッシャー与えないでくださいよ」 「ソウタ先輩、準備OKです」 ソウタ先輩がセットポジションに入る。 「あーっ」 ボールが指から離れた瞬間、ソウタ先輩の雄叫び。 ボールは、なぜかソウタ先輩とあーちゃんの真ん中の距離でバウンドした。 「ソウタ……力みすぎ。肩の力抜け」 転がってきたボールを拾うあーちゃん。 「うわー、だっさ……俺」 「ダサいのは、いつものこと(笑)…5割の力で投げればいいから」 ヒュッ……………パシン 今度は、無事ミットに収まったようだ。 「ナイスボール」
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