第6章

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結局、コウ先輩は なんにも教えてくれなかった。 私じゃ、頼りないんだな…… そう分かってはいるものの、なんだかそのままにはしておけない気がする。 頭から離れないコウ先輩の顔。 この気持ちがなんなのか 私にはわからなかった。 「………ハル??」 電車の中であーちゃんに呼ばれ、あーちゃんと目を合わせた。 「ん?」 「どうした??なかなか返事しないし」 あーちゃんは、何度も私を呼んでいたようだが……全然気付かなかった。 「………ハルちゃん、具合悪い?」 部室での一件があってから、いつもとは違い 話しかけてこなかったソウタ先輩が、ようやく話しかけてきた。心配そうに……… 「大丈夫ですよ。ちょっと、色々考え事をしてただけです」 「……そっか……」 そう言ったきり、ソウタ先輩は静かになった。
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