第6章

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お母さんが亡くなって間もなくの頃、学校帰りに同級生のお母さんに会った。 「ハルちゃん、お母さんのこと……大変だったわね………ハルちゃんも可哀想に……」 私って可哀想なの!? 「ごはんとかどうしてるの??」 「一番上のお兄ちゃんが作ってくれてます」 「あらー、お兄ちゃんも大変ね。みんなの犠牲になっちゃって」 なっちゃんは、私たちのために犠牲になってるの?? これ以上、この人の話は聞きたくない。 私は、その場を走って逃げ出した。 ……はぁ……はぁ…… 自宅が見えてきて、私は立ち止まり 呼吸を整えた。
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