第6章

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玄関のカギをランドセルから出し、カギ穴に入れる。 カチャッと音がし、カギを握ったままドアを開け、玄関に入った。 すぐにドアを閉め、カギをかけた。 ……なっちゃんに言われてるんだ、家に入ったらすぐカギをしなさい……って。 「ただいま」 返事がないのは、わかっている。 ……ああ、お母さん ほんとにいなくなっちゃったんだな…… そのまま、2階の自分の部屋に行った。 ランドセルを机に下ろし、ベッドにごろりと転がった。 今までなら、リビングのお母さんのところであれこれ話をしていたのだが……誰もいないリビングは……広すぎる。 「ただいまー、ハル??」 誰かが帰ってくるまで、くまのぬいぐるみを抱き締めて ベッドに寝転んでいる毎日。
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