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「父親がさ、他に女いるんだよ……でも、母親は別れない……俺がいるから……それなのにさ、母親はいっつも泣いてんだよ………この前は、母親が手首切っちゃって………んなくらいなら、さっさと別れりゃいいのに………そういうこと。これで満足!?」
コウ先輩は、いつもの笑顔じゃなかった。
「………お母さんに、コウ先輩の気持ち……言ってあげましたか??」
「別れろって!?」
だって、だって…………
「コウ先輩は、別れた方がいい……って思ってるんですよね!?お母さんのためにも……」
コウ先輩は、キッ……と私に目線を投げかけた。
「両親が揃ってて……兄貴たちに可愛がられて……苦しい思いをしたことないハルには、わかんねーんだよ……俺の気持ちなんか………」
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