第8章

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久しぶりにあーちゃんのお布団に潜り込んだ。 着替えをしていた更衣室……雷と救急車のサイレンの音……… 頭の中には、あの日の様子が鮮明に思い出される。 聞こえてくる雨の音と雷。 返事の返ってこない床に倒れた母。 私は、突然の息苦しさに襲われた。 以前にも感じたことがあるこの感覚。 思わずしゃがみこんだ。 耳から聞こえる音をすべて閉ざしたかった。 …………怖かった………… 気付いたときには、あーちゃんに抱え込まれていた………ほっぺに当たるあーちゃんがゴツゴツしていて、防具をつけたままのあーちゃんだと気付く。 ………息苦しさはなくなっていた。 また、同じようなことがあったとき……私はあの息苦しさを感じるのだろうか…… 面倒くさい女………そんな風に感じた。
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