第9章

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ハルがリビングのテーブルに何やらソーイングセットを広げ出した。 何をするのかと見てみると、布をちょきちょき。 そして、針に糸を通し 布をちくちく。 「ハル、なに作ってんの??」 フユも気になるらしく、ハルにたずねている。 「んーとね、お守り……これで片側OK……あとは………名前の方か……」 そして、名簿をチェック。 「赤川 浩平(あかがわ こうへい)って誰??そんな人いたっけ??」 ハルがぼそっと呟く。 「コウだろ」 アキの言葉にハルが驚く。 「コウ先輩って、赤川浩平って言うの??知らなかった………じゃあ、“コウ”でいいかな!?」 なにやら、名簿に書き込む。 そして、また針を持つ手を動かし出す。 …………コウってヤツへのお守りを縫っているのか!? ………ハルの本命は、アイツだったのか!? しばらく見ていたのだが、また次の布をちくちく。 「青山 蒼汰………“ソウタ”でいいよね」 1人で呟き、また手を動かす。 ………今度は、アイツか!? 聞きたい………けど、聞けない。
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