シスコン兄の妹

第９章

そう言えば、ハルが中学校に入って 初めてのバレンタインデーのとき………

バレンタインデーの前々日……土曜日のお昼過ぎにハルは１人キッチンでバタバタしていた。

キッチンに広がる甘い香り。

「ハル、なにやってんの？？」

俺の問い掛けに、ハルはあきらかに……しまった……という顔をした。

「あれ！？なっちゃんいたの？？」

当時、中３のアキは塾へ……高２のフユは友達と遊びに出掛けていた。

大学１年だった俺は、自分の部屋でレポートを書いていたのだ。
どうやら、みんなが外出していると思っていたハル。