第2章

5/23
前へ
/1062ページ
次へ
普段のハルは、なかなかワガママを言わない。 基本的に自分のことは自分でやるし、しっかりと手伝いをする。 たぶん、我慢してることが多いと思う。 だから、なかなか自分の思ってることを口に出さない。 母が亡くなり、家族に迷惑をかけないように…… そんな風に思ってるなんて、俺はしっかり見抜いていたけど…… まだ、小学生なんだ。そんなに自分の気持ちを押し殺して 聞き分けの言い子にならなくていいんだ。そんなハルを俺が徹底的に甘やかす……そう決めたんだ。 こんな風に言い淀んでいるってことは、何かお願いがあるんだと思う。 「ハル、おいで」 ベッドに座り、自分の膝をポンポン叩いた。
/1062ページ

最初のコメントを投稿しよう!

412人が本棚に入れています
本棚に追加