第2章

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「……家族の人にね……一言………言うの………ほとんど………お母さんに………」 うん、なんとなく分かった。 お便りにも書いてあるもんな。 家族の人に感謝の言葉を……って。 “お母さん、美味しいごはんを作ってくれてありがとう” 俺、小学校の卒業式のときそう言ったなぁ。 「……お父さんに………でも………良いんだけど……………」 「うん」 「……ハルはね……なっちゃんに………言いたいの………だから………」 泣きじゃくっているから、ものすごく言い辛そうに……ハルは、言い続けた。 「分かった。ハルの卒業式になっちゃんも行く。だから、もう泣くな」 そう言ったとたん、ハルはわーわー声を上げて泣き出した。
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