第3章

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入学式の翌日の朝も、やっぱり私はネクタイをうまく結ぶことは出来なかった。 今日は、自分の分とあーちゃんの分、そして、なっちゃんとふーちゃん、お父さんの分のお弁当を作った私。 また、あーちゃんを待たせてしまう…と思い、早々と自分で結ぶことを諦めて リビングに向かう。 「なっちゃん、ネクタイ出来ない」 と言いながら キッチンにいたなっちゃんの方に歩きかけた。 「ハ~ル、おはよっ……どれどれ、ふーちゃんがやってあげる」 手に持っていたネクタイをするりと抜き取ったふーちゃん。 「ふーちゃん、、、おそよ~(笑)」 さっき起きてきたばかりの様子のふーちゃんにちょっと意地悪な挨拶を返した。 「どれどれ………はい、完成」 長い指で、いとも簡単にネクタイを結んでくれた。 「ありがと…………なっちゃん、ふーちゃん、いってきます」 「はい、いってらっしゃい。気をつけてな」 「ハル、今日も可愛いよ」 ふーちゃん、返事が違うと思います。
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