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剣界最南端に位置する小さな村、ジュネイル。そしてこの村の中枢には、一流の剣士を育て上げる施設、剣武道場がある。そこでは、幼き子供達が将来立派な剣士となるべく日々腕を磨いていた。
だが、そこにジンの姿はなかった。彼は今、親友ブリッドと共に剣武道場の屋根上に居座っていた。不意に、ジンは空を見ながら呟いた。
ジン「早く剣武道会来ねえかなあ。」
ブリッド「ははっ!お前いっつもそれだな!」
剣武道会ー--
それは、年に一度行われるジュネイルの正式な大会であり、見事優勝した者は、晴れて剣士となるのである。
ジン「なあ。お前は剣士になんねえのか?」
ブリッド「ああ。別に剣士じゃなくても生きていけるしな。」
ジン「うわっ、もったいねー!」
ブリッド「はあ?なんでさ。」
ジン「剣士はいいぞ~?すぐ女が寄ってくるからな。」
ブリッド「俺は剣士にはならないよ。」
ブリッドはジンの話を逸らすようにして立ち上がった。だが、そんなブリッドにはお構い無しに、ジンはノリノリで語り始めた。
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