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紅花が口に出す話題は、ほとんど彼氏の話になった。
どこへ行っただの、何を貰っただの、何を話しただの。
相手は森山先輩。
一つ上だけど、私達の学年でもカッコいいと評判で、中にはわざわざ先輩の部活の応援に行ったりする子もいるらしい。
そりゃ、自慢したくもなるだろうけどさ……。
紅花の気持ちも分かるし、友達が幸せなのは嬉しい。
なのに、毎日毎日森山先輩の話を聞かされているうちに、私はだんだんムカムカして……。
天井をうっとりとした目で眺めながら森山先輩のことを話す紅花を見ながら、ふと、心の中に浮かんでしまったのだ。
別れてしまえばいいのに、と。
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