咲く花の隣に

5/11
前へ
/125ページ
次へ
――それからしばらくたって、たまたま一人で買い物に出かけた時のことだった。  道を歩いていると、向こうから見覚えのある人影が歩いて来た。  背が高くて、痩せてて、髪がちょっと長めで……。  もし学校でイケメンコンテストみたいなのがあれば、きっと誰も文句なしの一位になるだろう人。  森山充紀先輩。  紅花の彼氏だ。  そんな有名人が歩いていれば、直接話したことのない私だってすぐに分かる。  紅花、こんな人と付き合ってるなんて……と思わず見惚れて、気付いたのは少し経ってからだった。  森山先輩が誰かと並んで話をしながら歩いていると。  その“誰か”を見た私は、言葉も失い息を飲んだ。  そんな……  そんなつもりじゃなかったのに……
/125ページ

最初のコメントを投稿しよう!

39人が本棚に入れています
本棚に追加