茜色と琥珀色

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茜色。 その世界は茜色をしていた。 「「「はあ、はあはあ」」」 茜色をした世界を三人の子供が走っている。 一人は10歳位、二人は6歳位で双子なのかそっくりな顔をしていた。 「しき、にぃもうはしれな」 「僕、もうやだぁ」 「ばか!!!速くしろ。追いつかれるぞ」 双子が泣き事を言い、年かさの子供が二人を叱咤するが二人は座り込んでしまった。 『くすくす あかねは かかめ かかめはじゃのめ じゃのめはかかみ かかみうつしのふたりのこ どっちがほんもの どっちがにせもの どっちもほんもの どっちもにせもの ななつしたのこ かみのもの かかみのもの おいで おいでと てをまねく くすくすくすくす』 童歌が茜色の世界に響く。 「ちっ追いついて来やがった!!!」 「しきにぃ」 「おにぃちゃん」 双子がふくのすそを掴んで来るのが分かった。 「大丈夫だ、大丈夫。俺なら出来る」 小さく呟いて、自分を鼓舞する、しきにぃと呼ばれた子供は手を宙にかざす。 「すぅ。退け!!退け!!人に害成すものよ!!我、この血を持ってこの地から汝等を退ける者!!」 大きく息を吸って、呪を唱える。それと共にポケットから札を取り出した。 「バク」
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