茜色と琥珀色

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『ななつうえのこ あかねはいらない きえちゃえ きえちゃえ のまれてきえちゃえ』 「あ、ぐああああ!!」 冬貴に伸ばした手が消滅する。 「しきにぃ!!」 「おにぃちゃん!!」 茜色は、冬貴を消滅する気は無いのか、しきにぃを心配する声が聞こえる。 「あああああ!!大丈夫、だ!!し、んぱいすんな。俺が二人共守ってやる。」 そうだ。俺が一番年上なんだ!!俺が二人をここから出すんだ!! そう、心で叫んで冬貴に消滅したはずの腕を伸ばす。 何故か、掴んだと思ったら一気に体から力が抜けた。 「あ、れ?」 意識が遠ざかる。 「ま、じかよ」 こんな所で、こんな大事な所で俺は……………。 「しきにぃぃぃぃ!!」 利貴の叫び声が聞こえる。それと同時に辺りが白く光る。 最後に見たのは、琥珀色の髪と瞳をした利貴だった。 「封印が…………?」 完全に意識を失った。
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