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「ところで、」
ルリは、そう言って僕に顔を近づけて来た。
「あんた、霊達に追い掛けられていたでしょ。」
僕が、はっとして辺りを見回すと、しっかり囲まれていた。
「だから、言ったでしょ。ほら、四大元素の風、火、水、地。どれを使うの?」
「うーん。じゃあ、風と水」
「ふうんまあ、いいわ。それじゃあいくわよ」
ルリがもう一度、僕の頬にキスをする。
「風よ、水よ。彼の者に力を与えよ。彼の者の名は、利貴」
すると僕達の周りが光り出し、その後にとても強く優しい光が僕を貫いた。
「さあ、あなたはもう、風と水の力を使えるわ。心に浮かんだ言葉を唱えて!!」
「わ、分かった。風よ、水よ迷える魂を優しく包みたまえ」
僕が、そう言うと周りの霊達は大きなシャボン玉や、優しい風に包まれて、空に登って行った。
「うん。初めてにしては、上出来ね。」
「あ、ありがとう。でもこれ、かなり疲れるね。」
僕は荒い息をしながら、言った。
「当たり前よ。それ、あなたの精神力使っているんだから。そうそう、もう一つ。あなた、これから、魔界の住人に狙われるわよ。」
「ええ!!何で!?」
「そりゃあ、あなたが、水と風の力を持っているからよ。魔界の
住人って異能者の肉を好んで食べるのよね。まあ、3ヶ月頑張ろうね」
(う、受けるんじゃなかった)
そうして、僕の波乱の日々が始まった。
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