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あらすじ
201*年、3月
高校3年の君島サエは、いじめが原因で引きこもっていた。
サエの夢は漫画家。目指して親との約束で一年間学校を休んで投稿を続けていたが、最後のつもりで描いた作品が落選。
親の言うとおりに学校に戻る気力もない。夜、雨の中、原稿を片手に発作的に線路に飛び込もうとするが、黒いフードを被ったマント姿の女に助けられる。
「あんた、まだ18歳でしょ!たった一年ダメだったからって何よ!」
「あなたに何がわかるの!もう疲れたの!」
黒い女は、唐突に引っ越し用の段ボール箱を取り出して組み立て出す。
「あんたみたいな甘ちゃんにはわからないだろうけど、一回死んだ気になれば人間、だいたいのことは乗り越えられるの!二十歳だって、三十過ぎだって!」
「お姉さん…三十過ぎ?」
「うるさいわね!年の話はいいの!」
「もしかして…ホームレス?悪いけど私、そこまで生活レベル下げる覚悟は…」
「さっきまで死のうとしてた人が何言ってるの!いいから、つべこべ言わずにこの中に入りなさい!」
「い、意味わからないんですけど?」
女の剣幕に押されて渋々段ボールの中に入るサエ。中は意外と居心地がいい。
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