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じりじりと暑い日差しが俺を襲う。
俺の後ろには7人の仲間。そして目の前には信頼のおける女房役。
そして鋭いまなざしを俺を見ている敵……。
甲子園出場をかけた大事な一戦。9回裏、2-1のフルカウント満塁。
まさにこの一球に勝負が決まるかの正念場。
自分で言うのもあれだが、ゲーム開始からここまでよく頑張ったなとを褒めてもいいかと思う。
そして……これで最後かとそう思うとボールを持つ手に力が入る。
俺の相棒はフォークのボールコースのサインを出していた。
つまり、振ってくれれば三振ゲームセット。
俺達の勝利が決まる。
が、振らなければフォアボールで押し出しの同点……。
正直この炎天下にもう1イニングは辛い。
出来ればこれで勝負を決めたいと思っていた。
ラストになるかもしれない。そんな小賢しい勝負ではなく、ストライクコースにストレートを投げたい、首を横に降り続けた。
……俺の望むサインでた。相方も俺の気持ちを汲んでくれたようだ。
首を縦に振り……集中する。
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