第2章

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「藤田さんの仕事は、クレーム対応とシステム担当です。クレーム対応は杉山さんが、システム関係は私が教えます。」  高橋君の言葉に頷く。  (システムは庶務係でも担当してたけど、使い物にならなかったんだよな、営業係ほど困難な業務じゃないのに。がんばれるかしら・・・) 営業係のシステムは顧客に関するもので、個人情報を多分に含んでいる。それで、ほぼ業者に委託していた庶務係のシステムとは違い、社内で情報システム課と共に構築されているのである。その担当になるなんて・・・システム業務に関する苦手意識が消えず、重い気分で渡されたプリントに目を通す。そこには営業各係のシステム担当名が載っていた。  「これから、他係のシステム担当に挨拶しに行きます。営業係間は、夜間や休日出勤での共同作業も多いので。」  「あっ、はーい。」  高橋君に連れられて、キャビネットを挟んだ隣の営業第1係、第2係に赴く。  「まずは、1係から。小池さんと松永さん。この島で一番課長席に近い所に座っている二人、ああ、今は小池さんしかいないか。」  目配せする高橋君。  あっ、あの彼だ。一瞬、ドキッとした。
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