第2章

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 「それなら、1係の小池に聞いたら?元SEだからシステムに詳しいよ。」  いきなり、彼の名前が出てドキッとした。  「片桐さん、小池さんと親しいんですか?」  「ああ、同年代だし。あいつの方が一年後に入社しているけど、同じ課内でやり取りすることも多かったから。たまに飲みに行ったりしてるよ。」  (そうなんだ・・・) 動悸が治まらない胸を無理やり落ち着かせながら、努めて冷静に言葉を紡ぎ出す。  「小池さん、親切そうな人なので、今度聞いてみます。」  「そうするといいよ。藤田さんみたいな人なら大歓迎だろうし。」 片桐さんはそう言うと、赤ワインを飲みながら、牛ロースのポワレを一切れ、口に運んだ。  (どういう意味なんだろ。それにしても美味しそう・・・でもダイエット中だし、私はこっちかな)  鯛のカルパッチョに箸をのばす。グレープフルーツソースの酸味で下が少し痺れた。
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