第2章

15/20

16人が本棚に入れています
本棚に追加
/41ページ
 二次会を断わって帰途に付く。大人数の飲み会は元から苦手。お酒もたしなまないし、いくら花金でも早く帰って寝たい。4月から連日残業続きだったし、仕事の疲れが取れないからだ。  枯れ果ててるなあ、と自覚しながら、ターミナル駅への道を歩いていると、「藤田さん!」と声をかけられた。玲奈ちゃんだ。  「玲奈ちゃん、二次会はいいの?」  「いつもは出席するんですけど、明日は予定があって。これ以上飲んじゃうと朝起きられなそうだし。」  そう言う玲奈ちゃんは、淡いピンクのシャツにホワイトのクロップドパンツ。足元はいつもの7cm細身ヒール。真っ白なフレンチネイルにパールのアクセントが可愛らしい。女の私から見てもほれぼれする。  「30分くらいお茶でもしていく?」飲まなければ大丈夫だろう、なんだか少し話し足りなかった私は、ちょっと誘ってみた。  「いいですね。藤田さんのお勧めのお店連れてってください!」  頭の中で行き付けのカフェを幾つか並べる。玲奈ちゃんの雰囲気に似合うのは、ちょっとカジュアルなおしゃれカフェかな。  「じゃあ、行こっか。こっちだよ。」  玲奈ちゃんを促し、歩き始めた。
/41ページ

最初のコメントを投稿しよう!

16人が本棚に入れています
本棚に追加