第2章

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 高層ビル群を背景にして、駅からもちょっと離れた大通りから一つ小道を入った所にあるナチュラルな雰囲気の「ウッドカフェ」。雑誌にも取り上げられており、比較的新しいそこは、今回3度目の訪問。緑やアンティーク家具が絶妙なバランスで廃置されており、癒しをテーマにしているようだ。  「ここ、来てみたかったんですよ~」カフェ巡りが趣味と言う玲奈ちゃんは、うれしそうにメニューを見ながら、カフェラテを頼んだ。私は紅茶派なんだけど、たまにはいいかと玲奈ちゃんに倣う。  「藤田さんは、前評判高かったけど、実際積極的で仕事もぐんぐん吸収してくれるので手がかからないって、さっき高橋さんと話してたんですよ。」玲奈ちゃんが手放しで誉めてくれる。  「ありがとう、玲奈ちゃんがそう言ってくれるとうれしいな。」  「高橋さん、放任主義な所あるけど、悪い人じゃないんで。」  このところの高橋君と私に流れる微妙な空気が気になっていたのか、玲奈ちゃんのフォローが入る。  「分かってるよ。同じ仕事をするのは今回が初めてだけど、高橋君とは以前職場が一緒だったから。CDを貸してもらったこともあるし。」  「そうなんですか、ちょっとホッとしました。」  そこで、私は気になっていたことを直球で聞いてみた。  「玲奈ちゃんは高橋君と仲良しだよね。付き合ってるの?」  
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