第2章

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 10時過ぎにカフェを出て、今度こそ帰途に付く。大通りに出て駅に向かおうとした時、20代後半くらいの男性二人組に声をかけられた。  「彼女たち、よかったら一緒に飲まない?」ちょっと酔っ払っているみたい。  「ごめんなさい。」(藤田さん、行きましょう)  軟派慣れしているらしい玲奈ちゃんが足早に去ろうとしているところ、私は一人に腕を掴まれてしまった。  「ちょっとくらいいいじゃん。それにしても、お姉さん、綺麗だね。そっちの彼女も可愛い。」間近でささやかれ、ぞっと鳥肌が立つ。 「結構です!」  なおもトレンチコートの袖を掴む手を振り払い、玲奈ちゃんと足早に駅へと歩き出した。    
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