第3章

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 「小池さん、キリがよければ、ランチでも食べに行きません?休憩まだでしょう。」  「ああ、そうしましょうか。私も一通り終えたんで、片付けてきます。ちょっと待っていて下さいね。」 (うわあ、誘っちゃった。OKされちゃった。) ちょっと積極的だったかな、と思いつつ、もっとこの人とお話したいという気持ちは止められなかった。  慌ててトイレにダッシュし、身なりを整える。30歳だが、肌の白さには自信があるので、油取り紙で顔を抑え、リップを塗りなおす。休日は肌を休ませるために化粧はしないのがモットーのため、例え気になる人と一緒でもほぼすっぴんに近い状態だ。  「これでよしっと。」 自席に戻り、黒のミニリュックを手に取ると、帰りの準備が終わったらしい小池さんの姿が見えた。  
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