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深夜2時まで小料理屋を営んでいる正臣は、もちろん宵っ張りな生活を送っている。
明け方に眠りにつき、目を覚ますのは昼過ぎだ。
だから深く眠って目を覚ませば、必ず部屋の中は明るくなっている。
「……」
──……あれ? 何で俺、こたつで寝てんだ………?
だが寝室は遮光カーテンが引いてある。
それにしては明るすぎやしないかと疑問を抱きながら目を開いた正臣は、なぜか自分が寝室の布団ではなく居間のこたつで寝ていることに気付いた。
狭い居間を占拠するこたつの傍らは、狭いベランダへ繋がる掃き出し窓だ。
顔のすぐ隣に窓とカーテンの隙間があるのだから、普段より明るく感じるに決まっている。
おまけに昨晩の正臣は何を考えていたのか、居間のカーテンは開きっ放しになっていた。
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