第1章
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いつもは辛い階段もこのときばかりは辛くない。 最後の段を上り、屋上に出るための扉を押す。 ギギッと鈍い音を立てて開いた扉の奥からは、ピューッと乾いた風が吹き抜ける。 やっぱり風がない分廊下のほうがましだ。 体を丸めて先へ進む。 そしているであろう人の名前を呼ぶ。 「たかはしー!」
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