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キミからのプレゼントは
とても嬉しいものばかりだけれど
あからさまに
キミにとって
要らなくなったものばかりで
それがなんだか淋しくて
相殺できずに
いちいち涙がでてしまうんだ
どこか遠くへいこうよなんて
宛先の無い手紙みたいな
開封されない言葉を並べるのは
悪趣味だからやめなよ
べつに誰でもいいから
読んでくれたらいいという気分で
海に放り投げたりしないで
ここへ届けてくれ
その、べつに、の意味も書いて
届けてくれ
またね、とか、いつか、とか
爪を磨きながら言う台詞は
ボクの小指の血を止めてしまうんだ
キミが最後につけてしまう
Wの数のぶんだけ
キミの心が醜くなる気がしても
ボクは黙って笑っているよ
キミが語尾を上げた時
下がってゆくものがたくさんあっても
ボクは絶対に正したりしないで
静かに頷いているよ
キミが空気みたいな声色で
死ねばいいのにと
テロを起こすみたいにつぶやいたら
ボクは呼吸をあきらめて
必ずそれに賛同しているよ
ボクはボクを
一人ずつ絞殺してでも
キミには
ボクしかいないのだから。
『プレゼント』
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