PresenT

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今朝も一個も排泄できずに 咳払いに息を止め 限界まで潜水したあとの 水面に飛び出す瞬間の表情で 昨日とは違うドアを出て 生乾きのアスファルトに忍びこんだり ぬりたてのペンキに寝そべっては 暇を計画している キミが感動しててもしていなくても 最初に、超、をつけたとき 音速で どれだけの記憶を超えているのか ボクにはわからないけれど 天に昇り始めているボクの歪んだ顔を 下から見つめるキミの目は 散る桜を見ている目と同じだ スピード違反がダメだというなら スピードが出ない車を作ればいいと言う キミの理論は正しいけど コンパクトとかスリムという 言葉の響きにはすぐだまされて なんでも詰めこんでしまう キミの貧しい胸のなかは ボクの想像以上に柔らかくないから 滑稽だねって言って キミの下腹部にキスをしよう。 『下腹部にキス』
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