ReplicA

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宇宙から、夜の地上を見下ろせば、明かりの集まりは知的生命体の群れ。それはまるで黄金の銀河。文明の大河。キミもそのうちの一粒の光源。 地球には重力があります。から、上とか下とかあるけれど、ボクは月面にも立てるから、キミの地球がボクの頭上を跨ぐだろうし。もしもキミが、太陽に立てたなら、キミの頭上を月が瞬き飛んでいくのです。 キミの目指してる天辺が、ボクの天辺とおなじでも、立っていたい場所がずれているから、そばにいるだけじゃ重ならない。ピラミッドの中だけの価値観でしかなくて。伝えきれない心象形文字。 チグリスとユーフラテスみたいに、最後には共に、同じ天辺の下で光りたいと思っていても、そのキモチだってボクだけの天辺で、キミの頭上には無いかもしれない天辺で。なのでキミもボクも、季節限定の、蛍の光止まり。そんな儚い文明です。 『その蛍等の文明』
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