憑代の柩 弐

日常

「現実の反映ねえ」

　すぐ側で声がした。

　珈琲サーバーを手に、店長が立っていた。

「私は妙～な夢をよく見るんですよねえ。

　駄菓子屋で買い物してたら、銃で撃たれ、雪山で火に当たってたら、銃で撃たれ、ドームでライブしてたら、銃で撃たれ……」

　最後のはなんだ、と思ったが、まあ、夢だから。

　現実の自分からは程遠いことも多いか、と思った。

　馨が苦笑いして、

「店長、何か命を狙われる覚えでもあるんですか？」
と訊いていた。

　夢というのは、深層心理の表れでもあるからだ。