日常

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「じゃあ、その死体は闇から闇へと消えたんだろう。  俺たちには関係ない」 「言うと思いました。  でも、実は先生、そんなに非情じゃないですよね。  だから、自分の立場が悪くなるとわかっていても、奏にも、私にも手を貸してくれた」  いや、それは―― と八代は詰まる。 「さて、此処まで考えて、ひとつ問題が。  若田さんは、何故、人が他の音と間違えて、聞き逃してしまう銃声を聞き取り、銃声だ、と言ってしまったのでしょう」  その口調にお前教師か、と言われたので、 「家庭教師ですから」 と言うと、 「衛をあんな腑抜けにした家庭教師か」 と言う。
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