日常

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 先生と名のつく奴にロクな奴は居ない、となんの八つ当たりが言い出すが、いや、まず、貴方が私に『先生』と呼ばれてますが、と思った。 「若田さんは、非常によく、銃声を耳にしている人間だと思います。  だから、うっかり、そう言ってしまった。  うっかり、此処が最大の問題なんですが。  何故、彼はうっかりしてしまったんでしょうね。  恐らく、あの人のいい店長と仲良くなり過ぎて、酒も入って、口が滑っちゃったんでしょうね。  命取りですよね」 「お前も命、取られたくなければ、この件にはもう首を突っ込むな」 と言う八代に、 「ポイントは、銃声ですかね?  それとも――」 と言うと、八代は椅子に背を預け、 「どうせ、もう全部わかってるんだろう?」 と言う。
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