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火曜日のランチの時間。
馨は八代たちとは別れ、ひとり、違う場所に歩いて行った。
小さな今にも止まりそうなエレベーターに乗って、その階に着く。
ドアに手をかけると、すぐに蝶ネクタイの男がやってきた。
「いらっしゃいませ」
馨は笑顔で頷いた……
つもりだったが、もしかしたら、あまり笑えてはいなかったかもしれない。
店長は席に案内することもなく、
「お好きな席にどうぞ」
と微笑むと、カウンターの奥に戻っていってしまう。
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