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ちょうど人気のなかった。
いや、ないのを今、見てきたのだろうトマト缶の並ぶスペース。
そこで、缶を手にとって眺めながら、若田は言った。
「何かいろいろ訊きたいことがありそうだね、咲田さん」
「その名前、一応、もう捨てたんですけど」
「じゃあ、早くいい名前つけないとね。
僕が探してきてあげようか。
年回りのいい戸籍」
と若田はまるで、美味しいレシピを教えてくれるような口調で言う。
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