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「例えば、お前が要先生のところに戻って、怒った衛さまに、ドスッと刺されたりすると、非常に厄介だから」
「心配しなくても、要のところには戻りません」
そういや、要、辞めるとか言いながら、結局、あのまま病院に残ってるな、と思った。
「それに、私が刺されても、また死体、消せばいいじゃないですか、要に頼んで。
大体、私はもう死んでる人間ですよ」
「『咲田馨』は死んではいないだろう。
失踪だ」
「失踪っていうか。
まあ、その戸籍を使ってないだけですけど」
病院から去らない要のことを言えた義理ではない。
私もまだ、新しい名前を決めかねているのだから。
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