日常

52/113
前へ
/136ページ
次へ
 次に浮かんだのは、ポップコーンだった。  アルミで覆われた鍋のようなものを火にかけてつくる家庭用のポップコーン。  ぱん  ぱん  家族と居た頃を思い出し、少し切なくなる。  そして、衛はあれ、知らなさそうだな、と思った。  見せに行きたい。  一緒にあのアパートの小さな台所であれを作ってみたい。  きっと驚くだろうな、と思ったが、頭に、すぐ加藤の顔が浮かんだ。  わかった。  わかった。  わかってますよ……。
/136ページ

最初のコメントを投稿しよう!

452人が本棚に入れています
本棚に追加