日常

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   八代は朝の道をぼんやりした顔で歩いている馨を見つけた。  馨の場合、朝だからぼんやりしているというわけでもない。  一日中、ずっとあんな雰囲気だから。  緊張感のある日々を子どもの頃から送ってきたであろう衛が彼女に惹かれるのもわかる気がした。  人は自分にないものを求めるというからな、と思ったあとで、自分もか、とちょっと思った。
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