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「貴女が此処に勤めると、衛が入り浸りそうなんで、やめてください」
と兼平は言う。
じゃあ、時間がないので、それでは、と去ろうとしたが、兼平に腕を引っ張られた。
「ついでに此処で一緒に食べていきませんか」
「嫌です。
絶対、私に愚痴を聞かせる気でしょう」
と言うと、もちろんですよ、と言う。
「貴女には随分と騙されましたからね。
そのくらいいいじゃないですか」
いや、貴方は全然騙されなかったでしょうに、と思いながらも腰を下ろした。
此処に居る間に、店長が来るかもしれない。
そのときは、兼平にも一緒に話を聞いて欲しいと思ったからだ。
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