日常

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「しょうがない。  店長も来ないし、食べたら帰ります」 と馨が呟くと、 「それがいいですよ」 と兼平は言う。 「その銃声の件は、一応、気に留めておきます。  ともかく、貴女は首を突っ込まないでください」 「何故ですか?」 「貴女に何かあったら、衛がまた犯罪を犯しかねないからです」  そういえば、前回も死体の隠蔽なんて不届きなことをやっているしな。  この先、どうするつもりなんだろう。  奏は戸籍上死んでないし、死体もまだ残っているのだが。  本物の佐野あづさは、奏と私がすり替わったことについては、警察で語っていない。  だから、彼女が殺したのは、花屋の店員、ひとり、ということになる。  だが、恐らく、罪を軽減するために黙っているわけではないのだろう。
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