日常

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 誰がまゆだ。  いい加減、訂正しろ。  あと、潜入捜査していたとデカイ声で言う奴があるか。  探偵だ、というところは――  まあ、こいつの方が今の自分より、探偵らしいかな、とは思う。 「何かお仕事あったら、お願いします」  そう愛想良く営業活動をする馨に、そうだねえ、と店長は一生懸命仕事を考えてくれているようだ。  だが、店員に呼ばれ、行ってしまった。  別の店員に案内され、座った窓際の席で、ちらと八代は外を窺う。 「せんせー、いつ、猫探しとかの依頼が来るんですか」  馨がそんな呑気なことを言ってくる。 「うちはそういうのは受けてない」
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