日常

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「どんな感じの音ですか?」  そう改めて訊いてみた。  店長の夢で、派手な銃声がしているのなら、それは恐らく、ただの夢だ、と思ったのだが、店長は、 「うーん。  ぱーんって感じの爆竹みたいな音だよ。  ……夜中に爆竹鳴ってんのかな。  一発じゃないし。  でも、爆竹ほど数多くないんだよね。  ぱぱぱぱーんって感じじゃなくて、間が少し空いてるし。  第一、爆竹だったら、近所の人も聞いてるはずだよね」 「店長、よく銃声をご存知でしたね」 と言うと、 「うん、それはね」 と店長が語った話は、馨には黙っておこうと思った。 
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