日常

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 いえいえ、と言いながら、馨は抜いた草を抱え、流行が溜めている場所に運んでいく。 「それってあれ!?  もしかして、そういう話っ!?」 と腕を捕まれ、よろめく。  流行の頭の上にも草を落としてしまった。 「だっ、大丈夫ですってっ。  流行さん、霊、見えてないじゃないですかっ。  居ても居なくても関係ないでしょうっ?」 「そうですけどっ。  教えておいてくださいよ、一応~っ」 と流行が泣きついてくる。  いや、しかし、流行に教えたら、家人が居るときに不自然な行動をとってしまいそうだ。  教えない方がいい気がするのだが。
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