日常

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   深夜、三階建ての家の側の茂みに馨たちは潜んでいた。  あの店長の自宅だ。  儲かってないとか言うわりに三階建てじゃないですか、と言ったら、土地が狭いからだ、などと言い訳していたが、なかなかに広い。 「あの店長、実は脱税した金を狙われてるんじゃ」 「お前、店長のために、夢の原因を見つけようとしてたんじゃないのか」  店長を犯罪者にしてどうする、と八代に言われた。 「そりゃそうなんですけど。  先生だったら、依頼人が犯罪者だったらどうします?」  そう馨は訊いてみた。
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